津田塾大学の講座に向けたメモ 1
韓国の写真家、ユン・ジョンミ(JeongMee Yoon, b.1969-) による、2005年から続けられているThe Pink & Blue Project。
彼女自身の5歳の娘が、ピンクがあまりにも好きで、ピンク色の洋服しか身につけたがらず、玩具もピンク色のものにこだわっていた、という経験から、さまざまな子どもたちを、その子どもの部屋の中に並べた玩具や洋服とともに撮影し始めました。いわゆる、environmental portrait(人物をその身の回りの環境を含めて表すポートレート)と呼ばれるジャンルの作品です。
撮影されているのは出自の国である韓国と、アメリカ合衆国の子どもたち。国籍、人種、文化的な背景は違えども、女の子はピンクのものに、男の子はブルーのものに囲まれている(つまりは親が買い与えている)ことから、現在の子どもをとりまく消費社会が室内に展開された縮図として垣間見られます。
アーティストステートメントのなかに引用されているテキストで興味深いのは、女の子はピンク、男の子はブルーという性差と色の価値観が第二次世界大戦後になって成立したものであるということ。1914年にアメリカの新聞では、「男の子にはピンクを、女の子にはブルーを使うように」と勧める文章が掲載されていたそうです。
LIFERS などのドキュメンタリー映画の監督であり、津田塾大学で教鞭を執っておられる坂上香さんからお声がけいただき、津田塾大学で開催される公開講座を担当させて頂くことになりました。
「総合2010」 知の冒険〜新たな可能性を求めて
本学では、「総合講 座」を一般市民の方に公開いたします。この講座は本学学生のための正規授業ですが、市民の方々との交流を願って一般に公開 しているものです。年度ごとに現代の切実な問題を取り上げて、学生と教員が協力して運営にあたります。下記の要領にて聴講ができますので、奮ってご参加く ださい
以下、津田塾大学 公開プログラム 公開講座「総合」 と後期講演者一覧 より
今年度は、<知の冒険〜新たな可能性を求めて〜>をテーマにします。
いま、古い政治・経済制度や人間関係が音を立てて崩れ落ちようとしています。また、金融・経済危機、地球温暖化、うつ病の蔓延、格差社会など、巨大な問題 が私たちの前に立ちはだかっています。こうした危機的状況は、世の中が変化する徴です。その中から新しいものが生まれようとしているのです。
新しいものを産み出そうとすると、現状を打破していく勇気と未来を展望・創出する力が必要です。今年度の「総合2010」では、さまざまなジャンルで新し いものを産み出そうと挑戦されている講師をお呼びします。その中で、私たちが未来を切り開いていく希望と勇気が得られることを期待しています。
講演者:小林 美香 氏(東京国立近代美術館客員研究員/マレビトスクール 代表)
タイトル:写真を「読む」視点 〜経験が作り、変える見方、読み方〜
日時 10月28日(木)13:00-14:30
場所 津田塾大学 小平キャンパス 新館特別教室 アクセスはこちら
受講資格 年齢・性別等制限はありません。
費用 無料
手続方法 本学正門守衛所にて、住所・氏名等をご記入ください。 (満席の場合には、入場をお断りすることがあります。)
※キャンパス内に保育所があり、聴講の方も有料で一時利用することができます。詳細は本学総務課(電話042-342-5111)までお問い合わせください。
公開講座についてのお問い合わせ先
〒187-8577 東京都小平市津田町2-1-1 津田塾大学 教務課
TEL.042-342-5130
FAX.042-342-5131
公開講座では、これまでの写真に関わる研究活動や、美術館での仕事のことなどのほかに、5年前に刊行した拙著の『 写真を「読む」視点
』で取り上げた「子ども」や「ジェンダー」というテーマを、妊娠している現在の視点から捉え直してお話ししたいと考えています。
妊娠してから、日常生活で目にするさまざまな雑誌や、広告ポスター、産婦人科の検診の待ち時間に眺める妊婦向けの雑誌の広告に登場する赤ん坊の写真、とくに白人、金髪碧眼の赤ん坊の写真の多さが以前にも増して気にかかるようになりました。たとえば、「CREA」11月号 の表紙や『AERA with BABY 』などが典型例です。
乳幼児向けの製品以外にも、「赤ちゃんのような」唇、肌を喧伝する化粧品の広告も多いですね。
妊娠から出産へといたる過程は、古来から基本的にあまり変わらないものであるはずですが、私自身や夫が生まれ育った3,40年前とは比較にならないほど、妊娠や出産、育児に関して膨大な情報が流通しています。消費社会の中で、ファッション写真やウェディング産業のモデルの白人女性と同様に、華やかなファンタジーの生き物のように、白人の赤ん坊が 表象されているありように違和感を抱かずにはいられません。。
鈴木清写真展「百の階梯、千の来歴」、復刻版「流れの歌」に併せて以下のイベントが開催されます。興味のある方は是非ご参加ください。
・対談
倉石信乃(批評家・明治大学准教授)×金村修(写真家)
日程: 2010年11月19日(金)
時間: 18:00-19:30
場所: 東京国立近代美術館 講堂(地下1F)
聴講無料 申込不要(先着150名)
・ギャラリートーク
増田玲(「百の階梯、千の来歴」展企画者/東京国立近代美術館主任研究員)
日程: 2010年10月31日(日) 、12月11日(土)
時間: 15:00-16:00
場所: 東京国立近代美術館 ギャラリー4(2F)
いずれも参加無料(要観覧券)、申込不要
上記(対談、ギャラリートーク)の詳細は東京国立近代美術館 まで
・復刻版「流れの歌」(白水社)刊行記念トークトークイベント
飯沢耕太郎(写真評論家)×鈴木一誌(グラフィックデザイナー)
「いまなぜ、鈴木清か?」
日程:2010年10月31日(日)
時間:18:00- 20:00(開場17:30- )
場所:青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山
定員:120名
入場料:税込500円
詳細は青山ブックセンター本店 まで
マレビトスクール のメンバーでもある写真家、林和美さん が代表をつとめる写真ギャラリー、NADARの大阪のギャラリー に、私の蔵書の写真集の一部を委託管理していただくことになりました。
「小林美香さんの本棚」というコーナーを設けて頂き、ギャラリー内で閲覧して頂くことができます。
>> ナダールライブラリーにて特別企画「小林美香さんの本棚」コーナー設置しました
これから転居、出産、育児と続き、しばらく写真集をゆっくり見る余裕がなくなるかも、ということと、写真好きな人の集まる場所にいて見て頂ける方が、写真集にとっても幸せだろう、ということからNADARのスタッフにご相談したところ、快く引き受けて下さいました。
一冊一冊丁寧にカバーをつけて頂いています。大阪のNADARに立ち寄られる際には是非、スタッフの方にお声がけの上、手に取ってご覧下さい。ちなみに以下のようなラインナップです。
ASAKUSA Portraits
Hiroh Kikai
Steidl
2008
The Hungry Eye
Walker Evans
Harry N. Abrams
1993
Revelations
Diane Arbus
Random House
2003
Evidence 1924-1994
Richard Avedon
Random House
1994
Jesus and the Cherries
Jessica Backhaus
KEHRER
2005
What Still Remains
Jessica Backhaus
KEHRER
2008
Living Absence
Mayumi Terada
grambooks
2009
Passing Through Eden
Tod Papageorge
Steidl
2007
Even the President of the United States sometimes has got to stand naked
Ari Marcopoulos
JRP
2005
Carnival Strippers
Susan Meiselas
Steidl
2003
Abelardo Morell and the Camera Eye
Abelardo Morell
Museum of Photograhic Arts
1998
Go Home
Muge
Zen Foto Gallery
2009
America
Zoe Strauss
AMMO
2008
The Artist and the Photograph
ACTAR
2000
MAGNUM MAGNUM
青幻舎
2009
Polaroids
Robert Mapplethorpe
Prestel
2007
George Krauss
George Krauss
Rice University Press
1991
ライブラリーに本棚を設置して頂いてほどなく、5年前に青弓社から出版させて頂いた拙著『写真を「読む」視点』 の重版決定のお知らせを頂きました。青弓社の皆様、読者の方々に支えていただいてのこと、ありがたい限りです。
Place M2 ギャラリー で開催されていた写真家の坂口トモユキさん の展覧会「Ita☆Sha 乙」の関連イベントのトークショー に参加させて頂きました。
坂口さんの作品は「MADO 」を4年前ぐらいに拝見していて興味深いと思っていて、写真集『HOME』 を2008年にアメリカから一年暮らした後に帰ってきた頃に目にして、郊外住宅地の空間の特徴がとても新鮮に映った記憶があります。トークショーでは、それまでの作品制作の経緯をふまえて、インターネット環境の変遷、ネットを通した反響、デジタルカメラやフォトショップを駆使した制作のプロセス、「痛車」を巡る状況、iPadアプリ「Ita☆Sha 」などさまざまなトピックを伺うことができました。
私自身は、車も所有しておらず(日本とアメリカで数回レンタカーで運転した程度、ほぼペーパードライバー)、アニメやゲームなどいわゆるオタク文化にも馴染みが薄いので、普段あまり接点のない分野の話が伺えて興味深かったです。ipadアプリも拝見しましたが、プリントでの展示とはまた違う見え方をするので、反響やこれからの展開が楽しみです。
「Ita☆Sha」ipad アプリはこちら から購入できます。
トークショーの模様は、USTREAMで実況中継され、数人の方からリアルタイムで反応もあったようです。人様の前でお話をする仕事を10年近くさせて頂いてますが、こんな方法で視聴されたり、記録される時代になったのですねぇ、と感慨深い。録画でもご覧になれます。
妊娠が判明して以来、これまでに体験したことのないような変化を経つつあり、たえず自分の体の内側に注意が向いているような状態が続いています。また、日常生活の中でも乳幼児や妊婦さんに自ずと目が向き、ニュースなどで子どもたちを巡る痛ましい事件や虐待などを見聞きすると、心が沈む思いがします。自分の意志で何か作用を及ぼしている、動かしている、変えている、といういことよりも、未知の力や作用に自分が変えられていることのほうが、圧倒的な実感が伴うのだということも妊娠に伴って気づかされたことの一つです。
以前から好きだった写真家、Flor Garduno の写真集『Inner Light 』の表紙を飾る、長い髪を垂らし、猫(虎?あるいは彪?)の置物の上に目を閉じて仰向けに横たわる女性の写真。写真集のページを繰ると、女性の体や果物、植物や静物をとらえた写真が続き、終わりに近づいて再び登場する彼女のお腹は大きく膨らみ、髪はさらに伸びて、肘を大きく持ち上げて、体を反らせています。
妊娠する前からこの写真集は度々手に取り、この二枚の写真も度々見てはいたものの、自分のことに重ねあわせて想像したことはありませんでしたが、今や自分自身の経験に非常に近しいもの、これから数ヶ月の間に起きることの具体的なイメージを与えてくれるものに映ります。
妊娠に限らず、経験がものの見方や感じ方を劇的に変えていくことと共に、未知とは自身の外にあるだけではなく、内側に潜むものであることに感じ入ります。
客員研究員として勤務している東京国立近代美術館 にて、「鈴木清写真展 百の階梯、千の来歴」が開催されます。現在カタログ、展示の準備を進めています。日本の美術館では初めての回顧展となります。鈴木さんが1960年代から制作された作品を、写真集のダミーとともに展示いたします。展覧会に関連してイベントの開催も予定されておりますので、是非お越し下さい。
鈴木さんとは、生前に一度だけお目にかかったことがあります。学生だった頃四谷にあったギャラリーMoleを訪れた際に、一階の書店の中で看板を描いておられて、ご挨拶をして、鈴木さんが写真集の中で引用していたジャン・グルニエの『孤島』について少しお話をした記憶があります。穏やかな佇まいが印象的でした。年月を経て、このような形でお仕事をさせて頂けることを幸いに思います。
会期 2010年10月29日(金)-12月19日(日) (月曜日休館)
緻密に編み込まれた“書物”としての写真集づくりで、今日世界的に注目される写真家鈴木清(1943-2000) 。自らの出自や同時代の社会、旅の時間や 文学作品などをモチーフに、眼の前の現実と夢や記憶が自在に交錯する、重層的な作品世界を、初期作品〈流れの歌〉(1972年)や代表作〈天幕の 街〉(1982年)、〈修羅の圏〉(1994年)などを中心に紹介します。
マレビトスクール主催『モテる写真パーティVol.1』参加者募集のご案内です。
日時:7月23日(金)19時30分から21時30分まで。
場所:TOKYO FAMILY RESTAURANT playroom ( http://www.plrm.jp/ )
〒150-0011 東京都渋谷区東1-3-1 カミニート20 (2F)
03-3797-3355 (TOKO FAMILY RESTAURANT共通)
最寄り駅は渋谷で徒歩9分、表参道や恵比寿からは徒歩約15分位
地図はこちら
http://www.plrm.jp/access.html
会費:3,500円 飲食費込み
定員:50名(先着順)
『モテる写真パーティ』とは?
ギャラリストにモテたい。編集者にモテたい。普通に恋人が欲しい。そんな写真に関わる色んな人の煩悩をかなえる出会いの場。シャイな写真業界人のために、マレビトスクールが積極的に出会いを演出します。
▶なんでもアピール掲示板あります。会場奥の壁面で「写真集つくりたい」「個展やりたい」「写真家と出会いたい」「写真売りたい」「撮影頼みたい」等々、自己アピールして頂けます。※アピール用紙はこちらでご用意いたします。当日ご記入ください。
▶スライドショーできます。事前にJPGデータを送ってもらえばスライドショーで作品を上映します。※ご希望の方は事前にご連絡お願いします。
▶その他。もちろんポートフォリオなどの持ち込みは自由です。
お申込みは、ナダール/林まで、メール(
tokyo@nadar.jp )までお願いします。
マレビトスクールの7月のイベントです。
東京国立近代美術館のプリントスタディ(写真作品閲覧制度)を利用し、久保元幸さんがプリンターの視線でセレクトした所蔵作品を、プリントの技法や写真史に関する解説を交えながら鑑賞します。
写真史上の名作を、額を外した状態でじっくりと見ながら、プリントのみどころや味わい方を学ぶことができる貴重な機会です。是非ご参加下さい。
募集人数 10名
参加費 2000円(美術館への閲覧料金、資料代含む)
開催日 7月15日 木曜日
時間 14:30-16:30 (14:15に美術館受付に集合 現地で参加費を徴収します)
申し込み先 mika@marebito-school.com
申し込み期日 7月3日 募集人数に達し次第,申し込みを締め切ります。
東京国立近代美術館 プリントスタディ
http://www.momat.go.jp/Honkan/printstudy/index.html
2009年12月に開催した久保元幸×小林美香 クロストークの再録
http://marebito-school.com/2009/12/17/cross-talk-kubo/
久保元幸ブログ
http://blog.livedoor.jp/motoyukikubo/
このイベントは定員に達しましたので、申し込み受付を終了しました(6/21)
マレビトスクールで一緒に活動している柿島貴志さんが、写真家の村上将城さんが運営する名古屋の古雑貨のお店&ギャラリー「時折 」(tokiori)と協同で、展示とクロストークを企画されています。近隣にお住まいの方は是非お立ち寄り下さい!
先週、村上さんにお声がけ頂いて名古屋学芸大学で特別講義をさせて頂き、帰りがけに「時折」に立ち寄らせて頂きましたが、村上さんご夫妻の人柄がそのまま形になったような素敵な居心地の良い空間です。
柿島さんの運営するphotta-lotのブログ にも案内が掲載されています。
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2010. 6. 19 – 6. 27
13 : 00 – 20 : 00 (最終日18 : 00まで)
月・火曜日休廊
ギャラリー時折のオープニング企画展は、東京のアート・フォトレーベル photta-lotとのコラボレーションです。”photo marché”が示すように作品を展示、鑑賞するだけではなく、写真作品について語りながら、写真を購入 / 所有することについて考えていきます。
photta-lot : http://www.photta-lot.com
会期中の催し(会場:時折)
会場へのアクセス http://www.tokiori.jp/access/access.html
■クロストーク「写真作品と暮らす」
- 柿島貴志(アートフォトプロデューサー / photta-lot 主宰)
- 村上将城(写真作家 / 時折代表)
6/19(土) 14 : 00 – 15 : 30 会費:800円 / 1ドリンク付
※メールにて要予約 / 定員20名 mail@tokiori.jp
■オープニングパーティー
6/19(土) 16 : 30 – 18 : 00
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