Foam #25

オランダの写真雑誌、Foamから石内都さんの「ひろしま」についての記事を執筆依頼を頂き、The Traces of Absent Bodiesというエッセイを寄稿しました。都内だと青山ブックセンターなど洋雑誌を取り扱っている限られた書店でしか手に取ることができないですが、ウェブサイト上で、図版、文章を閲覧することができます。この雑誌は、掲載作品によって印刷に使用する紙の種類を変えるという、贅沢な作りになっています。内容はオンラインで無償で公開しつつ、印刷媒体の「もの」としての魅力を支持する人には雑誌を購買してもらう、という意図なのでしょう。

誌面には、写真集「ひろしま」から抜粋された、原爆資料館に収蔵されている被爆者の方たちの遺品の一部である衣服を撮影した写真が掲載されていますが、写真集よりも版型が大きく、無光沢のざらざらとした手触りの紙が印刷に使われているので、雑誌を手にとって読んでいると、写真集とは異なる仕方で、布のテクスチャーが感じられます。

このエッセイを書いていた頃と前後して、産まれてくる子どものための服を縫ったり編んだりしていたこともあり、過去に失われてしまった人の身体と、まだ外界には存在しない人の、身体の存在と不在を、布や糸という「もの」に触れながら考えたりもしました。

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