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fingertip

日曜日の晩に、馬鈴薯の皮を剥いていたらふとしたはずみで小指の先を僅かに切ってしまい、しばらく指先から血が滲み、腫れる。

絆創膏を時折張り替えながら、皮膚が白くふやけているのと、感覚の違和感を確かめながら(まだうまく曲がらない)、傷口が回復してゆくのを見届ける。

東横線で帰宅途中、寺田寅彦の全集の中の一編「団栗」を読んでたら、妻の死を悼む内容に妙に泣け、漢文の手触りが残るような硬質な文章のテクスチャーと、記憶の場面を描き出すその異様なまでの描写の解像度の高さに感嘆する。ふと自分の小指を見ると、昨日の切り傷はまだ微かに痛む。
駅の階段を上って見上げれば、小さな傷のような月
冬至も近い。

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