Archive for 11月 25th, 2009

文化資源としての炭鉱展

Posted 25 11月 2009 — by mika
Category memo





目黒区美術館で文化資源としての炭鉱展という展覧会が開催されています。近代化・産業化を底辺から支えてきた炭鉱業にまつわる版画や絵画、写真が・展示されています。以下サイトから引用です。

1950年代の エネルギー革命によって、エネルギー資源は、石炭から石油へと急速にとってかわられました。今や、石炭を目にしたことのない子供たちが多数を占め、取って 代わった石油にも枯渇の危機が懸念されるにいたっています。石炭産業が国家的事業として、戦後の日本の復興に大きく寄与していた時代はもう遠い過去のこと のように思えてきます。しかし、そのような時代になればなるほど、炭鉱への関心が様々な形で喚起されているようにもみえるのは一体なぜなのでしょう。

例 えば、最近では軍艦島上陸ツアーが人気を呼んでいますが、これは石炭掘削のための立坑などの巨大設備を 「近代化遺産」と呼び、産炭地を見て回るという、新たなツーリズムの一典型とみることができるでしょう。また、かつての炭鉱従業員のための住宅(炭住)を 舞台に、「フ ラガール」や「東京タワー」のような、人情味ある人間 関係を描いた映画が、多くの人々の共感を得たのもつい最近のことです。そこには、失われたものへのノスタルジー(郷愁)の喚起という側面もある一方、今は 失われてしまった、人間味のある大きな力への渇望や人情味ある人間関係などへの希求があるに違いありません。

戦 後社会の高度経済成長を支えた炭鉱を、「視覚芸術」はいかにとらえ、どのように表現し、「現在」にどのような炭鉱イメージをもたらしたのでしょうか。本展 は、炭鉱と視覚表現の歴史的な関わりを検証いたし ます。同時に、かつて‘地下’資源で繁栄した産炭地が、エネルギー政策転換などで経済的苦境にある現在、 炭鉱などを主題にした美術をはじめとする視覚芸術の‘文化’資源化を提起します。‘文化’資源化による産炭地域の社会再生について、息の長い思考と取り組 みを期待してのものです。さらに、石炭とその問題の表現を通じて、私たちを取り巻くエネルギーに対する考え方、姿勢などについて再考する機会ともなること を期待します。

戦後写真史に名を残す土門拳や奈良原一高の作品が見られたのもよかったのですが、一番印象に残ったのは、遠賀郡の炭鉱で働きながら坑夫の姿などを描いた版画作家、千田梅二の『炭鉱仕事唄板画巻』。木版の一分の一スケールで刻み込まれた簡素な線が力強く、ルオーやエルンスト・バルラハの作品を思い出したりもしました。